第11回 2000年4月版
わしが作っとるんじゃ  今回のわし!
菊間町 養豚
窪田 束穂さん
わし顔写真

 今回は、菊間町から、養豚を営む菊間仙高牧場の紹介です。

写真 写真  豚って、私たちの日常生活においてすごく身近な存在だけど、よく考えてみると、案外知らないものだなと思いながら牧場を訪ねました。
 豚舎の近くまで行くと、さっそく、キーキーと元気そうな子豚の声が聞こえてきます。中の様子をそっと覗いてみると、そこには、母豚と一生懸命おっぱいを飲んでいるたくさんの子豚たちがいました。“ここは分娩舎といって、母豚が分娩して子豚を育てるところよ。豚の妊娠期間はだいたい119日で、年に2.5回くらい子豚を産むんよ。1回の出産で10頭以上の子豚が産まれるよ。”とのこと。なんて、働き者なんでしょう!また、豚は、臭覚がとても敏感で、自分の産んだ子と他の母豚が産んだ子をこの鋭い臭覚ではっきり区別するそうです。そして、ここの場合は、柵で仕切られているので大丈夫ですが、場合によっては、よその子豚をかみ殺すこともあるのだそうです。豚は、とても神経質な動物とは聞いていましたが、これにはさすがにびっくりしました。

写真 写真  そんなデリケートな豚です。育てるのはどんなにか大変だろうと思って訊ねてみると、“やっぱり、病気が一番怖いねぇ。悪い菌を持ち込まれないように、人の出入りを厳しく制限したり、各豚舎にタイマーを設置して定期的に消毒したりしよるんよ。入り口にはセンサーを設置して場内に入る車も消毒するんよ。”とのこと。また、豚は、肥育段階に応じて豚舎を移動するわけですが、ここでは、豚がすべて移動してしまった後、一度きれいに消毒・洗浄して次の豚を移動させます。これは、オールイン・オールアウト方式といって、以前の豚が持っていた病気を後から入ってくる豚に感染させないようにする努力なのだそうです。また、餌の管理にもとても気を配っていて、肥育段階に応じてかえるのはもちろん、季節によってもかえているのだそうです。
 生き物を育てるということは、とても大変です。やはり休日返上で?とお伺いしてみました。すると、“うちでは、分娩・子豚・肉豚・母豚・交配とステージごとに専門化しとるんよ。これで、効率よく作業できるわけ。それと、人工受精を実施することで、週休二日制も可能なんよ。”作業の効率化を図ることで仕事にゆとりをもたらし、さらに、ここから出荷される肉豚は、肉質の格付けが上質のものの割合が常に70〜75%を占めているのだそうです。

写真 写真  また、仙高牧場では、養豚だけでなくいろいろなことに取り組まれています。毎年1回、地元小学校の児童の見学を受け入れ、豚とのふれあいを行っているそうです。そして、進入路の前面にはサツキで「仙高」と社名の植樹、道沿いに桜並木など、場内の環境整備・美化にも積極的です。“やっぱり、今の時代、環境整備は大切なことやと思うんよ。これからも、どんどん場内に植樹していく予定なんよ。排水溝の掃除や、草刈りなんかも、毎月全員でしよるんよ。”とのこと。地域社会との協調、環境美化にも積極的です。

 ただ、上質の肉豚を出荷するということだけでなく、こういった地域社会とのふれあいや、環境美化運動への取り組み、とても大切なことだと感じました。今回取材にお伺いした時は、残念ながら桜の開花にはまだ少し早かったのですが、もう少し暖かくなったら、満開の桜並木と少し大きくなった子豚たちに会いに行ってみたいと思います。


写真説明(上から)
●生まれて間もない子豚です。(右)
●肉豚です。(左)
●だいぶ成長したけれどまだ子豚です。(右)
●作業中の窪田さん(右)
●牧場には美しい桜並木がありました。(左)
●牧場の全景です。(右)
区切り線
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